2011年11月20日

11月20日 この世には属さない国

この世には属さない国
ヨハネによる福音書 18章28-40節

18:28人々は、イエスをカイアファのところから総督官邸に連れて行った。明け方であった。しかし、彼らは自分では官邸に入らなかった。汚れないで過越の食事をするためである。18:29そこで、ピラトが彼らのところへ出て来て、「どういう罪でこの男を訴えるのか」と言った。18:30彼らは答えて、「この男が悪いことをしていなかったら、あなたに引き渡しはしなかったでしょう」と言った。18:31ピラトが、「あなたたちが引き取って、自分たちの律法に従って裁け」と言うと、ユダヤ人たちは、「わたしたちには、人を死刑にする権限がありません」と言った。18:32それは、御自分がどのような死を遂げるかを示そうとして、イエスの言われた言葉が実現するためであった。18:33そこで、ピラトはもう一度官邸に入り、イエスを呼び出して、「お前がユダヤ人の王なのか」と言った。18:34イエスはお答えになった。「あなたは自分の考えで、そう言うのですか。それとも、ほかの者がわたしについて、あなたにそう言ったのですか。」18:35ピラトは言い返した。「わたしはユダヤ人なのか。お前の同胞や祭司長たちが、お前をわたしに引き渡したのだ。いったい何をしたのか。」18:36イエスはお答えになった。「わたしの国は、この世には属していない。もし、わたしの国がこの世に属していれば、わたしがユダヤ人に引き渡されないように、部下が戦ったことだろう。しかし、実際、わたしの国はこの世には属していない。」18:37そこでピラトが、「それでは、やはり王なのか」と言うと、イエスはお答えになった。「わたしが王だとは、あなたが言っていることです。わたしは真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来た。真理に属する人は皆、わたしの声を聞く。」18:38ピラトは言った。「真理とは何か。」ピラトは、こう言ってからもう一度、ユダヤ人たちの前に出て来て言った。「わたしはあの男に何の罪も見いだせない。18:39ところで、過越祭にはだれか一人をあなたたちに釈放するのが慣例になっている。あのユダヤ人の王を釈放してほしいか。」18:40すると、彼らは、「その男ではない。バラバを」と大声で言い返した。バラバは強盗であった。

*ローマ総督の普段の駐屯地は、カイサリアであるが、ユダヤ人の祭りの際には、騒動を防止するために、エルサレムに駐在したのである。ピラトは、紀元26年から36年まで、ユダヤ、サマリア、イドマヤを統治した人物である。新約聖書の記述によれば、優柔不断な統治者という印象を与えられるが、その実像はかなり高圧的にユダヤ人に対処した人物であった。*28-31 ユダヤ人たちは《明け方》に、イエスを総督官邸に連れて行ったが、官邸内には入らなかった。異邦人に接触することを避けたのである。すなわち《汚れないで過越の食事をするためである》(28)。中に入ろうとしないユダヤ人に対して、ローマ総督ピラトは外に出てきて、イエスの罪状をめぐって、押し問答をする(29-30)。*33節から、ピラトによるイエスの尋問が開始される。ピラトにとって重要なことは、イエスが《ユダヤ人の王なのか》どうかということである(33)。すなわち、ユダヤに頻繁に見られたローマ帝国に反旗をひるがえす政治的メシア運動の首謀者かどうかということである。イエスはそれに対して、ピラトが自分の判断でそう言うのか、他人(ユダヤ人)の言葉に動かされてそう言うのかを問いただす(34)。しかし、ピラトは、早急に決着をつけるために、イエスが《何をしたのか》を知ろうとする(35)。
    (「新約聖書注解」より)
posted by MATSU at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 2011年度10〜3月 | 更新情報をチェックする
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